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小浜高等学校
校長挨拶
    第23代校長 伊藤孝浩
   
   

 2023.4

気づき・考え・行動(3K)

~「生徒が創り動かす学校」・「人間力(強さ・優しさ・志の高さ)で勝負の浜高」~

考動力(自主性と責任)・満喫力(創造力と協働力)・感謝力(優しさと強さ)を磨き、

ワンランク上の進路実現を目指して、自分の可能性・未来に挑戦しよう!

 

●本校は、昭和24年に開校し、創立74周年を迎えました。地域の方々から「浜高」と親しまれ、これまで卒業された1万2千余名の優秀な先輩方は、国内外   の あらゆる分野で活躍をされています。これは卒業された先輩方が、校訓である「誠実な人」の精神を、社会で実践されてきた結果であると思っています。「誠実な人」とは、常に他者に対し「思いやり」と「感謝の心」をもって接し、自らの強い意志と高い理性で、正しいと信じたことを最後までやり遂げる人です。

〇変わる「浜高ライフ」

 雲仙の山々から鳥の鳴き声響き、四季折々の木々の葉は校舎の背景を彩り、校庭から見下ろす橘湾は、水面に長く伸びる夕陽が心を穏やかにしてくれます。最高の環境で学ぶ生徒諸君は、真面目でピュアなハートが最大の魅力です。今、「生徒が創り動かす学校」が動き出し、様々な「浜高ライフ」が激変しようとしています。自分たちで思い描くキャンパスライフは、楽しく、充実したものとなり、さらに進化を遂げていくことでしょう。そして、自分たちから提案し動き出したとき、その満足感と責任感は何物にも代えがたい大きな成長となります。誰もが憧れ、誰もが誇りを持てる「浜高ライフ」を満喫しましょう。
 また、本校の強みは、小規模校がゆえに生徒と先生の距離が近く、「家族」のような絆を持っています。先生方の熱意と指導力は目を見張るものがあり、生徒一人ひとりの個性を活かしたサポート活動が実現しています。生徒一人ひとりの能力や希望に応じた進路を実現する力を持つ学校です。

〇深い学びを追求し「人間力」で勝負

 近年、主体的・対話的学習の重要性が求められています。私は、主体的な学びとは、自ら「気づき」・「考え」・「行動」(3K)することができることだと思います。そのためには、常に「観察」し、「感じる」力(感性)が必要です。私は、これを成功の5Kと呼んでいます。そして、主体的学びから得た力は、さらなる飛躍へと前進します。そうして得た経験の積み重ねが自信や誇りとなり、心豊かな、強く、たくましい人になれると考えています。歩みを止めず、成長し続けた人こそ、周囲の人への気配りや優しさを表せると信じています。物事が上手くいったとき、自分に自信と誇りが備わったときから「感謝」「謙虚さ」の心が宿ると考えます。私は、これらすべてが完結したとき、真の成功7Kと呼んでいます。部活動の大会やコンテスト、進学や就職試験等の様々な場面で、浜高で培った「人間力」で正々堂々と勝負して欲しいと思います。
 また、今こうしているときも世界では紛争が絶えません。何の罪もない人々が犠牲となっています。人は生まれた時からすべての人が幸福でなくてはいけません。人に対して優しいさや思いやる心を持つということは、人の痛み、悲しみや苦しみを理解することではないでしょうか。その「人間力」を備えた皆さんが、差別やいじめを許さない社会づくりを率先して行ってほしいと思います。

「浜高プライド」「浜高ブランド」

 浜高は、明るく元気になりました。その姿からは、自信と誇りを感じることができ、まさに「浜高プライド」が確立されようとしています。さらなる飛躍が期待できます。浜高生があらゆる分野でNo1を目指し、浜高生にしかできないOnly1を作り上げていきます。
 地域に愛され、地域に支えられ、たくましく育っていく私たちが作る「浜高ブランド」に期待してください。

 

 2024.4

~ 本物・誠実・感謝そして甲子園へ ~   

                            校長  伊 藤 孝 浩

 高校までの18年間、同じ島原半島に育ち、雲仙の自然豊かな風土にどっぷりと溶け込むまで全く時間を要しませんでした。2023年4月に赴任し、早1年が過ぎました。 
 20年前の2003年、生まれ故郷の島原市で長崎ゆめ総体(長崎インターハイ)男子バレーボール競技が開催されました。大会最終日は、台風接近の影響で風雨に見舞われる荒天の中で準決勝、決勝戦が行われ、何とか決勝戦まで駒を進めることができました。準決勝が終わり、私は監督として「最後まで試合ができ、地元に恩返しができた」と休憩所で一息ついているところへ、古くからの知人たちが「絶対、優勝を」と次から次へ声を掛けに来てくれました。その激励のおかげで気が引き締まり、優勝することができたと言っても過言ではありません。小浜高校(浜高)に赴任して、近隣の多くの知人たちから「あのインターハイ最終日は、台風が来なかったら仕事を休んで応援に行けなかった」と聞くたびに、まさに「天の時 地の利 人の和」という言葉の通り、天に感謝、地元の人々に感謝の念が再燃したところでした。改めて、本校の発展のために微力ながら力を尽くそうと決意を新たにした次第です。本当にありがたいことです。                                      
 夕方16時20分、グラウンドからもっとも遠くに位置する校長室に、いや学校全体に一糸乱れない野球部の掛け声が響き渡ります。部活動開始。他の部活動も動き出し、心地よい波動の変化を感じることができます。校長室の横棟から聞こえてくる吹奏楽の金賞の音色もまた心地良い。活気を感じる瞬間です。
 もともと野球小僧であった私も野球は大好きで、以前から高校野球の観戦に足を運んだり、様々な高校の練習を観に行く機会を好んでつくっていました。初めて浜高野球部の練習を観たとき、「本物」と感じたというより、「本物」の条件を確認している自分がいました。間違いなく「本物」です。朝練習から始まり、キャッチング、バッティングの基礎基本練習の反復、自重トレーニングから走り込みまで。何よりグラウンドの隅々まで行き届いた整理整頓は、県内屈指の練習環境を誇示するかのように立派で整然としています。さすが甲子園出場を果たした名門校だなと感服させられたことを昨日のことのように思い出します。私は、これまでの経験の中で「勝つまでのプロセス」を重視してきました。日々の練習や試合を通して成長するためには、「気づき」「分析」「検証」「プラン作り」を体現することが重要だということです。浜高野球部員と新たな浜高野球部の山口寛司監督含め4人のスタッフは、すでにその領域を追求しています。「いかにして勝つか」という命題に対して、「天の時 地の利 人の和」のそのチャンスを掴むときが訪れることを確信します。県内屈指の環境に加え、昨年他界された名将溝田澄夫氏(前監督)から全幅の信頼を受け指導を託された山口監督とスタッフは、前監督の言霊を引継ぎ「凛」とした姿勢で野球道を極め、再び浜高を甲子園へと導きます。
 皆様方の応援をよろしくお願いいたします。

 

 大事に備える -

◎    孟子約紀元前3世紀:中国・戦国時代に活躍した思想家)曰く

〇「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和にしかず」

  *桶狭間の戦い【今川義元(2万兵)に織田信長の(2千兵)が勝利】

 →『 天の時     地の利    人の和 』

  →  を守り   (地)を清め  を正す

                    (哲学者:森信三 氏)

 

・時を守るとは、単に時間を守るというだけではなく約束を守り信頼される人間になるということ 

・場を清めるとは、日々の掃除や整理整頓を通して、気づく人になる、謙虚になる、心を磨き尽くす人になると感謝の念が芽生えるということ

・礼を正すとは、自分の言葉や服装姿勢を正し相手に礼を尽くす挨拶や感謝の言葉を大切にし、良好な人間関係をつくること