文芸部の 浜田 陽多里さん(※浜はマユハマ)は、今年度の長崎県高等学校総合文化祭 文芸・詩部門で、『優良賞』に選ばれました。
今回は、彼女の作品「秘密基地」制作への思いについてインタビューしました。
Q:制作方法について教えてください。
A:美術部が描いた絵を10枚から15枚程度提示してもらって、その中から2枚選んで、詩を制作しました。
Q:部誌「新涼第4号」には、詩と一緒に絵も紹介されていますが、この絵の気に入った部分はどこですか。
A:小学生の頃に住んでいた大分(畑や田んぼが広がる田舎の風景)にむすびついて、「思い出」という言葉が思い浮かびました。この絵一択という感じでした。
Q:「引っ越していく友人を見送る子ども」と自分を重ねているのですか。
A:実は、逆です。私自身が引っ越したのです。
Q:県大会で3位、来年度の九州大会(沖縄)や全国大会(香川)への出場権を獲得しましたが、どんな気持ちですか。
A:詩を読むのは好きだけど、詩の制作には苦手意識があったので、驚いています。本当は、散文をつくるのが好きです。
Q:文芸部に入部したのはなぜですか。
A:高校に入学して表現活動をしたいとは思ったのですが、体力はないかなと思ったので。
Q:影響を受けた作家はいますか。
A:影響を受けたというより、好きな作家は江戸川乱歩です。本は集めたいので、図書館で借りるより、買うようにしています。
Q:将来の夢を教えてください。
A:就職は公務員を考えていますが、絵を描いたり、文を書いたりするのが好きなので、創作活動は続けていきたいと思います。
選んだ絵画(美術部制作)
[元画像(155KB)]
秘密基地
どこまでも青い空
燦燦と大地を照らすお天道様は
きっと私のことを見ている
夏
大分生い茂った草むらの中に私は一人
帽子も被らず
ただひたすらに歩いていた
目指すはあの森
あの森の中には私の秘密基地がある
小さい頃
引っ越した友達と作った秘密基地
都会に引っ越して
大人になった今でも
お盆にはこの地元へ帰ってくる
見渡す限り緑の田んぼ
夜になると開演する
鈴虫たちの大合奏
都会よりも心なしか涼しいこの土地で
私は小学生のころに思いを馳せる
小学生
一番仲が良かった女の子
優しくって
笑顔がかわいくて
でも、引っ越していった
幼い私は何もわからず
彼女が乗る電車にむかって
ちぎれんばかりに手を振った
しばらく続いた文通も
いつの間にかなくなっていた
二人で作った秘密基地の中に
彼女はいるだろうか
長い草をかき分けて
森に向かって