今回は、長崎県高校演劇で審査員特別賞を受賞した作品「つなぎたい→未来」の脚本を担当した 放送演劇部3年 田中 彩月(たなか みづき)さんにインタビューしました。
Q:演劇の経験はあったのですか。
A:まったくありませんでした。中学校の文化祭でもやったことはありません。東翔高校に入学したときは、部員が0で、それでも演劇を創りたかったので、ゼロからのスタートでした。
Q:彩月さんの今回の演劇での担当を教えてください。
A:今回の作品「つなぎたい→未来」では、脚本、演出、主役(1人2役)を担当しました。
Q:どのように脚本を作っているのですか。
A:最初は、顧問の先生に教えてもらった脚本の作り方どおりに作りました。1年生の高校演劇では「高校生のいじめとLGBTQ」をテーマにしました。2年生では面白い脚本にしたいと思って「擬人化したペットと女子大生」のメルヘン仕立てに挑戦しました。3年生では「文化祭」と「大学の献血サークル」を掛け合わせた脚本にすることにしました。
Q:今回の「つなぎたい→未来」の脚本で苦労したところはどこですか。
A: どういう展開にしたら皆が献血に行きたくなるかを考えて、登場人物が客席に質問するという「観客参加型」にしたのですが、どんな回答がでてくるか分からないので、アドリブ力が必要になり、苦労しました。
献血についてインターネットで調べたり、JRC部にいた知人に、「献血の呼びかけってどうやっているの? なぜJRC部に入ったの?」とか、取材したりもしました。
4人の女子大生が登場するのですが、キャラクターの違いを出すのが大変でした。また、主人公は普段はきゃぴきゃぴっとした印象なのですが、白血病だった自分が献血で助けられたと語る部分は真剣な様子が伝わらなくてはならないので、言葉選びを工夫しました。スポットライトの当て方も、こだわりました。
1日目に献血希望者が0人で、2日目にどうするか検討するところで、最初は商品券を配るという設定にしたのですが、お金につられて献血しているみたいで、ダメかなと変更したりしました。
Q:脚本も演出も全て自分たちで考えているのですか。
A:実際に演じてみて、ライトやスポットを決めたり、夕方という時間帯に合わせてオレンジのライトを当てようとか、意見を出し合って決めています。また、脚本に書いてない背景も考えながら役作りをしました。
Q:審査員特別賞をもらった感想を教えてください。
A:審査員は、県内の先生、県外の強豪校の顧問の先生、佐世保の劇団の主催者といった皆さんでしたが、「参加型はアドリブ対応が必要で取り入れるのが難しいが、観客を巻き込むことができていた」と講評で言ってもらえたのでよかったです。
Q:将来の目標を教えてください。
A:最初は演じる方がいいと思っていたのですが、だんだんと脚本を書くのが楽しくなったので、書き続けたいと思います。卒業後は就職しますが、将来は声優になりたいと思っているので、高校演劇で学んでことを生かしていきたいです。