明けましておめでとうございます。
きっと、世界中の人々にとって、2025年の迎え方はさまざまだったと思います。新たなチャレンジに心躍らせる人、不安や悩みに心を震わせる人、大切な人を思ったり亡くしたりして祈りの時間を過ごす人・・・。ですが、どのような状況にあっても、誰もが前進することができる年になることを期待します。
2学期の終業式で、「目標を立ててほしい」とお話ししました。目標は立てるだけではだめです。達成するための道筋を考えること、行動に移すこと、行動を点検して修正することが必要になります。所謂、PDCAサイクルを回すことで、目標に向けて前進できることになります。
「 EASY COME , EASY GO 」という言葉があります。「得やすいものは失いやすい」という意味です。うまくいかないことはもちろんあります。B‘Zは歌詞の中で、「抜け殻になるのはヤだから」「逆境にくじけるなと自分に言い聞かせて」、「出逢いも別れもeasy come, easy go」「幸も不幸もeasy come, easy go」と表現しています。考え方の問題であり、確かに、苦しい状況は変わりません。現実は何も変わっていないのです。でも、抜け殻になるのはヤだから、この言葉を支えに前進するというところが、私は好きです。
17世紀、フランスの哲学者パスカルは、『人間は考える葦である』と表現しました。人間は、か弱い葦のような存在であり、自然の脅威の前には簡単に押しつぶされてしまいます。しかし、考えることで、自然や宇宙よりも偉大な存在になれるというのです。「考えることが人間の最大の強みだ」というのは、世界中で、さまざまな時代において多く語られた言説です。ですから、皮肉なことですが、AI(人工知能)を肯定する根拠だという人たちもいます。そのパスカルですが、著書『パンセ』の中で、「考えること」よりも偉大なことがあると述べています。皆さんはどう考えますか。「考えること」よりも大きい人間の強みとは、なんだと思いますか。自分で考えることは当たり前のことです。皆さんには、その先にある大切なものを見据えてほしいと思います。
3学期の始まり、2025年の始まりに、それぞれの前進(成長)を誓いましょう。