1.舟グローの歴史
(1)舟グローの語源
「舟くらべ」が転じて「舟ごろう」「舟ぐろう」となったと言われています。
(2)発展の歴史
地舟は大正10年代に小型発動機船が出現するまでは、農作業や漁業に出かける島民の重要な足となっていました。
現在のように、かなりの荷重に耐え、舟足が軽く、スピードが出る舟に改良されるまでに長い年月を経ています。
現在の対馬地区における舟グローは、地域の祝い事や行事、レクリエーション的なものとして残るだけです。
(3)舟グロー保存会
大浦区舟グロー保存会のメンバーは,昭和61年7長櫓の地船で約9時間かけて朝鮮海峡を横断し,大河内湾から釜山へ渡る快挙を成し遂げました。(上対馬高紀要第2号「対馬における舟グローについての考察」教頭 高橋政寛著より)
2.目的
(1)風化しつつある地元伝統文化を継承し,後継者を育成する。
(2)生徒がじかに郷土の伝統文化に触れることで,郷土への愛着を育てる。
(3)和船を協力して漕ぐことで,クラスの団結力を高める。
3.練習
櫓漕ぎ(漕ぎ手の配置)
(1)右櫓と左櫓の違いなど,櫓漕ぎの基本的練習
(2)とも櫓(舵取り),采切り(あやきり),手木(てぎ)の体験
(3)左側が櫓を押したときは右側は引く,後の対は,前の対と逆になるように練習。
(4)各クラス午後から2時間の練習ができるよう,練習時間帯を設定する。
4.本校舟グローの歴史
(1)第1回大会
平成11年大浦区舟グロー保存会や商店街の協力を得て、8クラスのトーナメント方式で大浦湾で開始されました。テレビ局や新聞社も多数取材に来て,盛り上がった大会でした。
(2)第5回大会
平成15年第5回大会は海の日の前日に開催し,報道各社に大きく報道されました。
5.成果
(1)本校独自の伝統体験学習であり,TVや新聞に報道されることにより,郷土への誇りと自信がもてるようになりました。
(2)舟グロー保存会やPTA等の支援や協力で練習や舟グロー大会ができ,地域の人の結びつきが深まりました。
(3)団結して練習することで,船足が速くなることを体験できました。
(4)リーダーシップが育ち,他の行事への参加が積極的になりました。