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令和2年5月23日(土) お田植え祭に参加しました

2020年6月13日更新

 今日は東アジア歴史・中国語コースの生徒(1年15名、2年3名、3年13名、計31名)が壱岐市年中行事の「田植え祭」に参加しました。みんなで弥生時代の服装、貫頭衣を着て、古代米を植えました。古代米作りは五穀豊穣を祈念する「さなぶりの祭り」が来月にあって、秋には「刈り入れ祭」、そして「収穫祭」となるそうです。自分たちで植えた古代米が出来上がるのが楽しみです。昼は、鴨肉のカレーと鴨肉のやきとりのふるまいをおいしく頂きました。

 昼からは、壱岐市教育委員会の田中係長様、松見係長様に原の辻遺跡の発掘調査の現地説明会と一支国博物館の企画展示の展覧会の解説をしてもらいました。先日1年生が飛び込みで訪れた際は発掘現場を見せてもらいましたが、今回は更にその現場で発掘された物も見せてもらいました。今回の発掘調査では弥生中期から末期の土器や器台、石で作られた剣の切っ先などが出土していました。土器には、今のファッションと同じように、時代によって流行の特徴があるそうです。今回発掘された土器の口縁部の曲がり方の違いを、実物を見ながら、丁寧に紹介してもらい、その特徴の違いによって時代が特定できることを教えてもらいました。生徒から「器台には穴が開いていますが、何に使うんですか?」という質問がありました。土器は時代が進むと次第に底が丸くなっていくそうです。煮炊きをする際に熱が伝わりやすくするためらしいですが、土器の底が丸くなると、そのまま地面に置くことができなくなるので、その土器を載せるために器台というものが登場するという話でした。

 一支国博物館の企画展も今回は壱岐市教育委員会の松見係長様の解説で見学しました。「日時計」が壱岐市勝本町のカラカミ遺跡で昨年出土したという話や壱岐では朝鮮など渡来系の物が沢山発掘されるが、壱岐以外の場所で渡来系の遺物の欠片でも出土すると「うちにも渡来人が来ていた」と一大ニュースになると、壱岐市の発掘調査担当ならではの解説で、改めて壱岐市の歴史の面白さを実感することができました。

 東アジア歴史・中国語コースの生徒は2年次から歴史学専攻と中国語専攻にコースが分かれます。歴史学専攻を希望した場合、選べる将来の仕事を考える機会になればと、今回の企画をしました。歴史好きの人が歴史に携わる仕事と言えば、大学に残って研究をするか、博物館の学芸員、あるいは教師という仕事を思い浮かべると思いますが、都道府県や市町村など地方自治体の文化財保護の仕事、というのがオススメです。その中でも、「考古学」は圧倒的に有利です。文化財保護の席が仮に10名分あるとすると、9名が「埋蔵文化財」の専門職員で、残り1名が古文書や美術工芸品を扱う「学芸員」という割合になります。公共事業などから我々人間のルーツを知る文化財を守るため、発掘調査を行う「埋蔵文化財」の専門職員の数が一番必要になるからです。今回一日関わってくださった壱岐市の皆様の様子を見て、文化財保護の担当者は発掘調査だけでなく、自治体の年中行事を守ることも大切な仕事の一つだと感じてくれたのではないかな、と思います。

活動の様子の写真をfacebookに掲載していますので、ぜひそちらもご覧ください。
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