長崎県
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仕事論(第23号)

2020年10月14日更新

長崎県立五島海陽高等学校

校 長   古川 賢一郎

後期始業式で観てもらったドラマには、「仕事とは、賞賛や評価を考えず自分が信じる成すべきことに邁進すること」であり、「仕事のあり方は相手によって変わってはならない」「仕事の対象に愛(情)を持って取り組む」姿が描かれていました。 

「仕事」の意味について、別の角度から考えてみましょう。

ドイツ出身のユダヤ人でアメリカに亡命した哲学者、ハンナ・アーレントは、著書『人間の条件』の中で、「仕事」を「労働」と区別しています。私たち人間は、労働labor、仕事work、活動actionによって構成されており、そのうち「労働」は人間の生物的側面に関係する、つまり命を保つため、生活を維持するために作り出される必要なもののことを指し、自然に拘束される奴隷的側面を持っているとしています。それに対して「仕事」は人間の「非自然性」に関係するもので、人はいつか死ぬ運命にある中、自然とは全く異なる世界、時間を超えて存続するもの(自分が作り上げてきた足跡。文化・芸術作品もこれに属する)を残そうとしますが、それが「仕事」であると定義しています。 

今年大きな反響を呼び社会現象にもなったドラマ『半沢直樹』の中で、半沢が元の職場を追われ出向を命じられた先の東京セントラル証券で、組織に幻滅し目標を見失いつつあった後輩に対して、「仕事」の心構えを説く場面があります。

「(組織が腐敗するのは)自分のためだけに仕事をしているからだ。仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は、内向きで卑屈で醜く歪んでいく。」

「「勝ち組」「負け組」という言葉がある。私はこの言葉が大嫌いだ。大企業にいるから良い仕事ができるわけではない。どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って日々奮闘し、達成感を得ている人のことを、本当の「勝ち組」と言うんじゃないかと俺は思う。」

 予備校講師の林修さんは、著書『仕事原論』の中で、仕事は、自分がどう生きるかという部分と大きく重なっており、仕事観を確立すれば自身を確立することになる「人生問題」であると書かれています。そして、自らを高める事につながる仕事のあり方として、次のように言われています。

「お金をもらっているプロである以上、満点しか許されないと考えています」

「やりたくない仕事を全力でやると、やりたい仕事に近づく」

「一流を目指すことから全てが始まる」

「個人で勝負できる組織人を目指しましょう」

 3年生はいよいよ就職試験が始まりますが、「仕事」をするために職業を調べ、自身の適性と照らし合わせ、志願の決意を言葉に綴り、それを表現する準備をしてきました。受験先はそれぞれ違いますが、根底に流れる「仕事」に対する思いを、自分の言葉で伝えてきてください。健闘を祈っています。

 

 

 

 

 

 

 

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