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2度目の臨時休校にあたって(第18号)

2020年4月21日更新

長崎県立五島海陽高等学校

校 長   古川 賢一郎

 

新型コロナウイルス感染症対策のため、五島海陽高校も、4月21日(火)から5月6日(水)まで16日間休業することとなりました。間近に大会、受験や検定が控えている人は、出口の見えないこれらの動きに不安を抱えていることでしょうが、気持ちをしっかりと持って生活してほしいと思います。

長い目で見れば、人類の歴史は感染症との戦いであり、これまでも感染症の世界的な流行は、10~40年周期で発生してきました。近年では2009~10年の「新型インフルエンザ」が記憶に新しいところですが、我々は、それらの大流行から生き残った者たちの子孫でもあります。人との大きさを比べると、ウイルスは10億分の1,細菌は100万分の1でしかありませんが、地上で最も進化したヒトと最も原始的な微生物との死闘は、ヒトが膨大な数の犠牲者を出す代償を払って免疫を獲得したり、巨額の研究費によって開発された新薬で対抗すると、微生物はそれをかいくぐり新手を繰り出す形で続いてきました。                                                    地球に住む限りそれらから完全に逃れるすべはなく、生命誕生から続く互いの進化の一環と言えます。その意味では今回の事態も十分にあり得たことで、我々は「腹をくくる」覚悟が必要です。同時に、歴史から学ぶ姿勢も重要です。                                                                         20世紀以降のインフルエンザに焦点を当ててみると、1918~19年、死者数千万人を出し、第一次世界大戦終結を早めたと言われる「スペインかぜ」は日本にも波及し、21年の終息までに感染者は2,300万人、死者は38万6,000人を数えたと言われています。現在、世界の感染者が230万人、死者が15万7,000人。国内の感染者は11,118人、死者が186人ですが、過去の例を見ても、ウイルスとの戦いを終結させるためには、相当の年月を耐え忍ぶ気力と、相手に打ち勝つための工夫が必要です。                         

「なぜ私(たち)だけが?」と嘆くのではなく、必ず終わりは来るのですから、皆が落ち着いて協力しながら対処していくことが大切になりますが、近年、日本人の中に場当たり的な行動をする、「自分だけ」「今だけ」「金だけ」に走る「サル化」が見られるとの指摘があります。冷静に考えればわかるはずなのに、トイレットペーパーの買い占めに走ったり、感染した人を殺人者呼ばわりして攻撃したり、他国と自国の対策を比較して他国をうらやましがり、とにかく早く多額の補償をしなければ許さない雰囲気が出てきています。先に述べた過去の例から考えても、長期戦を覚悟し、まずは医療現場の疲弊を避け、予算を中長期的に使うべきことは自明の理なのに、それを考えない人が多くなっているように思えます。                                                                                        その背景にあるのが、連帯感の欠如だと指摘する人がいます。個々の人間は弱く、将来の社会保障への不安、日々の忙しさが、人々を「今すぐに」「まず自分が」「金の確保が第一」に駆り立てていく要因かもしれません。そのことを、哲学者の内田樹さんは、人間の「サル化」と表現しました。『朝三暮四』という故事は、サルにこれまで給餌してきた8個の栃の実を7個に減らすことになった時、「朝3個、夜4個」の案にサルは怒り、「朝4個、夜3個」の案に狂喜した。つまり同じ7個もらうことを理解できなかった、長い時間の枠で見れば同じ事柄であることが仮想できなかったサルを笑う話です。しかし、日本人の「今だけ」に奔走する姿を見ると、サルを笑えるでしょうか。                        

 これから私たちが心がけなければならないことは、中長期的な視点を持って今の生活を維持すること、隣人や他国と協力しながら対処することでしょう。始業式の講話で2,3年生に紹介した「悠々として急げ」(開高健)、「たゆまざる歩み恐ろしカタツムリ」(北村西望)の精神で、逆境の中穏やかに、今すべきことをしっかり行いながら、励まし合って過ごしてほしいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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